Keynote Speakers

基調講演

「ポスト・デジタル,デジタルの先へ」

近年,様々な表現・分析・制御の手段がアナログからデジタルへ移行することで,正確性・再現性の向上,情報管理の効率化,ビッグデータの活用,IoT・AIとの連携などが可能となり,コンピュテーショナル・デザインやデジタルファブリケーションなどで多様なメリットを享受できるようになりました。一方,より多様な状況に応じた,実空間とデジタル空間のシームレスな関係,環境への分析的で柔軟な応答,自律的な問題解決とデザイン,AIと人との共創など,新たなクリエイティビティの模索も必要になっています。本シンポジウムでは,建築・都市におけるポスト・デジタルの未来像について議論します。

DAY1 pm「ポスト・デジタル建築の現在

建築の研究と実践にわたる往還的な知が重要性を増すポスト・デジタルの状況について語ります。「デジタル技術により何を自動化・機械化するのか=コンピュータライゼーションするのか」*1の問いが,どのような現代的なコンテクストから,いかなる研究を経て発され,社会実装に展開し,次のどのような問いを準備しているのか。日本と海外の状況を俯瞰し,全地球的な視点から議論を展開します。
[1] A+U 2024年7月号「特集:ポスト・デジタルの建築」より

日時――2025 年 12 月 4 日(木)15:00-17:30

司会― 高 佳音(東京理科大学准教授)

講師― Gilles Retsin(AUAR)

    Ryan Luke Johns(GRAVIS ROBOTICS)

討論モデレータ―木内俊克(京都工芸繊維大学特任准教授)

DAY2 pm「いのちと建築」

生成AIの進化と普及が著しい昨今,人工生命の研究分野でも生成AIに期待が寄せられています。中でも,生成AIを共創や創発のパートナーへと高めようとする人工生命のアプローチは,建築・都市を扱う我々にとって大きな価値を秘めていると考えられます。他方,多様な「いのち」を生かす器としての建築や都市をいかに生きやすくデザインするかは建築に携わる人々に課された永遠の課題です。本セッションでは,人工生命研究に携わる研究者と建築設計の実践者による知見を踏まえつつ,建築・都市と「いのち」の連関を多角的に検討し,その理論的・実践的含意を議論します。

日時――2025 年 12 月 5 日(金)15:00-17:30

司会―  倉田成人(筑波技術大学教授)/松永直美(レモン画翠代表取締役社長)

講師― 池上高志(東京大学教授)

    永山祐子(永山祐子建築設計)

討論モデレータ―下川雄一(金沢工業大学教授)

<協賛>