概要|講演情報
基調講演
VR・メタバースが変える私・空間・社会
VRやメタバースでは、環境としての空間とそれを体験する身体を自在に編集できる。そのような編集は身体と環境との相互作用で生じる「場」を変え、人間の感覚、行動、そして発揮能力や思考をも変容させることがわかってきた。本講演では、空間知覚の操作から、能力拡張やコミュニケーション支援まで、VR・メタバースが作り出す新たな場の活用方法について紹介し、建築分野や人間と社会のあり方を変える可能性について議論する。
鳴海 拓志
東京大学 大学院情報理工学系研究科 准教授
2006年東京大学工学部卒業。2008年同大学大学院学際情報学府、2011年同大学大学院工学系研究科修了。同大学大学院情報理工学系研究科助教、講師を経て、2019年より准教授(現職)。博士(工学)。
講演4題
サイバーとフィジカル空間を繋げるゲームエンジンプラットフォームの可能性
近年、デジタルツインやメタバースと言ったバズワードをよく耳にすると思います。これらは、ゲームエンジンというデジタルを得意とする環境を基盤として用いることで、建築データはもちろんのこと、現実の環境を再現する仕組みを作り出すことができます。AR・VRといった分野とも親和性が高く、各企業が注目を集めているプラットフォームです。ゲームエンジンプラットフォームで構築された事例を元に可能性を紐解いていきます。
竹内 一生
株式会社積木製作 Task Force DX Leader
株式会社積木製作にて、企業向けDX推進事業部であるTFDXを立ち上げ、責任者を務める。 ものづくりの現場にxR(AR/VR)技術とBIM/CIMを組み合わせた研究・開発・実装をメインとし、某スーパーゼネコンや大手設計事務所との実績を残す。
建築・都市の設計空間としてのVR・MRの展望
建築・都市の設計者は様々な観点から出てくる要件を具体的な建築・都市の空間に落とし込んでいく。その過程では平面図や立・断面図等の図面や模型等を用いて設計対象となる空間のかたちやそこでの人々の振る舞いを想像しながら設計の検討を進めていくことになる。この時、そうした設計の道具としてのVR・MRの可能性が浮かび上がって来る。より創造的な設計を探究する場となる設計空間としてのVR・MRについて展望したい。
酒谷 粋将
関東学院大学 建築・環境学部 建築・環境学科 准教授
建築家/関東学院大学准教授。1988年生まれ。2011年京都大学卒業、2015年同大学大学院博士後期課程修了。博士(工学)。JSPS特別研究員PD、関東学院大学専任講師を経て2022年より現職。2020年より藤原酒谷設計事務所共同主宰。
VR・ARの世界観を時間と空間を自在に支配する『夢幻能』から考察
VR、ARの技術は、近年目覚ましく進歩し、芸術分野だけでなく、多くのビジネスシーンで活用されるようになった。また、VRをめぐる論考には哲学的・文化的考察も多く見られる。しかし、日本における伝統芸能である「能」を用いてVR・ARについて考察を試みたものはほとんどない。VR・ARの世界観を能の二つの形式の一つ、空間と時間を自在に支配する『夢幻能』から考察する。
松永 直美
株式会社 レモン画翠 代表取締役社長
レモン画翠副社長就任中に、日本建築学会の理事を務める(2010-2012)。日本建築学会賞(業績部門)[本人ほか2名+1団体]を受賞する(2013)。大阪大学 大学院工学研究科 環境・エネルギー工学専攻 単位取得退学(2016)。大学院入学後9年かけ、博士(工学)取得(2017)。文部科学省の文部科学大臣表彰 科学技術省 理解増進部門[本人ほか2名]を受賞する(2019)。
建築情報技術とXR
未来社会像としてのSociety 5.0、それを実現するためのシステムとしてのCPS(Cyber Physical System)・デジタルツイン・IoT、さらにはメタバースについて述べ、その中での建築情報技術の位置づけを整理し、XRへの期待と課題について話題提供する。
倉田 成人
筑波技術大学 産業技術学部 教授
筑波技術大学産業技術学部教授、博士(工学)。専門は、地震工学、構造工学。情報通信技術の建築学への応用に関する研究等に従事。情報システム技術委員会前委員⻑、現幹事。建築BIM推進会議環境整備部会委員等。
シンポジウム「私たち・建築・都市をつなぐ最先端XR 2022」参加申込み
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