2020活動-1

日本建築学会 シンポジウム

建築・都市分野のVR・MR技術の新たな展開2020

概要詳細講演者情報

10月30日のシンポジウム「建築・都市分野のVR・MR技術の新たな展開2020」ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
日米からご参加いただいた講師の先生方からは大変興味深い話題提供、そして、濃ゆいディスカッションの時間を共有することができました。
至らぬ点は多々ございましたが、皆様のおかげで、建築学会としては2回目となる建築会館ホールでの対面型+Zoomオンラインのハイブリッド型シンポを終えることができました。対面型参加者からオンラインパネリスト、オンライン参加者から対面型パネリストへの対話もハウリングやエコーが生じることなく、進めることができました。

新聞報道されました「設計でVR・MR活用」日刊建設工業新聞(2020年12月11日)


当日は建築会館ホールとZoomオンラインのハイブリッド方式で開催しました。手間はかかりますし、主催者側としても色々とチャレンジャブルですが、対面とオンライン、それぞれのニーズに合わせて参加頂きました。建築学会主催イベントとしては2回目だそうです。建築会館ホールは、エコーキャンセルに対応した音響設備となっており、ハイブリッドで発生しがちなノイズやエコーの発生はなく、対面型の講演者・参加者とオンラインの講演者・参加者とがシームレスにコミュニケーションすることができました。
主旨説明 福田知弘(建築・都市VR・MR小委員会 主査・大阪大学)。対面会場(ホール)の雰囲気をオンライン参加者に少しでも伝えられるように次のような工夫をしました。講演者用PCと接続したウェブカメラをホール前方に配置することで講演者とスクリーンが入るように設置しました。また、ホール後方の天井ウェブカメラで対面型講演者のスライドと会場全体をライブ配信しました。会場には、質問者用のマイクを設置、ホール前方に配置したウェブカメラで質問者の様子が配信できるようにもしました。
繁戸和幸(安井建築設計事務所)「情報を可視化し、体験を共有する」。対面型で講演。安井建築設計事務所では、2007年にBIMを全社で導入し、基本設計の約90%、実施設計の約70%に活用している。BIMやVR、MR技術の活用状況、さらには、講演者自身がテスト中の最先端VRサービスについて、披露した。
安藤幸央(エクサ)「シーグラフ2020を通じたVR/AR/オンラインカンファレンス動向」。オンラインで講演。安藤氏は、世界最大のCGに関する学会、シーグラフに毎年参加している。コロナ禍でオンライン開催となったシーグラフの準備状況や、VR・MRをはじめとするCGの専門家たちがどのようなオンラインカンファレンスを開催したのか、最先端のVR・MR技術動向とともに紹介した。
楢原 太郎(米国 ニュージャージ工科大学)「Data-driven Approach in Architecture?」。東海岸・ニュージャージーからオンラインで講演。AIを活用した建築デザイン、特に現在取り組んでいる「住み心地」に関連したAIによる最適な間取りの提案を中心に披露した。シンポジウム開始時間は、現地では深夜3時半にも拘わらず、快く引き受けてくれたことに何よりも感謝したい。
ハイブリッド型パネルディスカッション。4つの姿でディスカションが交わされた。対面型の講演者に対面参加者から質問、対面型の講演者にオンライン参加者から質問、オンラインの講演者に対面型参加者から質問、オンラインの講演者にオンライン参加者から質問。環境としてはシームレスであったが、発話のタイミングをとりにくいなど、オンラインの一般参加者から質問は少ししづらかったのかもしれない。
本シンポジウムでは、各講演後、並びに、ディスカッション時において、会場から活発、かつ、鋭い質問が沢山寄せられた。現状、建築・都市VRのイメージは、建築設計や施工の内容を可視化してプレゼンテーションする道具のみと考えられがちですが、業務効率の向上と品質の向上に向けてBIMなどICTと連携した様々な取り組みが始まっていることが実感できた。AIとの連携も始まっている。一般参加者から積極的な質問が次々と出され、主客一体という言葉が相応しい会であると感じた。
まとめ 笹田岳(建築・都市VR・MR小委員会 幹事・鹿島建設)。
対面型参加者とオンライン参加者、全員で記念撮影
10.30eve 建築VR・MRシンポ資料。講演者様より沢山ご提供いただき、70ページを超える充実した配布資料となりました。参加者の皆様へは、メールにてお送りさせていただきました。

シンポジウム終了後、参加者に対してアンケートを実施した。主な結果をご紹介します。